2シリーズMSO

ミックスド･シグナル･オシロスコープ・データ・シート

主な性能仕様

アナログ入力チャンネル

2または4入力

周波数帯域

70MHz、100MHz、200MHz、350MHz、500MHz

サンプル・レート

2.5 GS/s（ハーフ・チャンネル）
1.25 GS/s（全チャンネル）

レコード長

1チャンネルあたり10 Mポイント

垂直分解能

8ビットADC
最高16ビット（ハイレゾ・モード）

標準のトリガ・タイプ

エッジ、パルス幅、ラント、タイムアウト、ロジック、セットアップ／ホールド、立上り／立下り時間、パラレル・バス

標準解析機能

カーソル：波形、垂直バー、水平バー、垂直／水平バー
測定：37
プロット：XY、リミット・マスク
演算機能：基本波形演算、FFT、拡張数式エディタ
サーチ機能：任意のトリガ条件で検索が可能

シリアル・トリガ、デコードと解析（オプション）

I²C、SPI、RS-232/422/485/UART、CAN、CAN FD、LIN、SENT

デジタル入力チャンネル（オプション）

16入力

任意波形／ファンクション・ジェネレータ（オプション）

波形生成：最高50MHz
波形形式：任意波形、正弦波、方形波、パルス波、ランプ波、三角波、DC レベル、ガウシアン、ローレンツ、指数立上り/立下り、Sin(x)/x、不規則ノイズ、ハーバサイン、カーディアック

デジタル・パターン・ゼネレータ（オプション）

4ビット
ユーザ定義、手動、およびトグル

ディスプレイ

10.1型TFTカラー
解像度：WXGA（1280 × 800）
静電容量式（マルチタッチ）タッチスクリーン

接続機能

USB 2.0デバイス（1ポート）
USB 2.0ホスト（デュアルポート)
LAN（10/100 MB/s Base-T Ethernet）

バッテリ・パック（オプション）

2つのバッテリ・スロットとホット・スワップ機能を備えたバッテリ・パック
デュアル・バッテリで通常使用で8時間可能

リモート・コントロール

リモート・バーチャル・ネットワーク・コンピューティング（VNC）を介してネットワーク経由でオシロスコープをリモートで表示および制御します。

VESAマウント

100 mm × 100 mmのVESAインタフェース

セキュリティ

Kensingtonロック、Tバー・スタイル

標準プローブ

チャンネルごとに使用する1つのTPP0200 200 MHz、10:1電圧プローブ

コラボレーション・ツール（オプション）

TekDrive：TekDriveクラウドから波形、設定、スクリーンショットを保存して呼出します。チーム内の他のメンバーとデータを共有します。
TekScope：基本的な機器制御を実行し、波形データをPCに転送します。保存されたデータのプロトコル・デコード、自動測定などをオフラインで解析します。

アクセサリ（オプション）

保護ケース・バンドル：キャリー・バッグ、キック・スタンド、保護ラバー・ケース
ラックマウント・キット
ハード・ケース
バッテリ・チャージャ

保証期間

1年間の標準保証

2SeriesMSO JA 48W738576 — Tektronixの次世代オシロスコープ

2シリーズMSO	3シリーズMDO	4シリーズMSO	5シリーズB MSO	6シリーズB MSO
コンパクトで持ち運び可能なバッテリ式機器	様々な用途に対応する高度な汎用性。	最大6チャンネルの視認性の高いベンチ・テスト	拡張解析と最大8つの入力	高速信号に関する非常に詳細なデータ

日常的なデバッグに適したコンパクトで汎用性の高いオシロスコープ

2シリーズMSOは、最大4つのアナログチャネル、500 MHz帯域幅、2.5 GS/sサンプル・レート、16チャネルMSO、50 MHz AFG、4ビット・デジタル・パターン・ジェネレータ、高度なトリガ、およびプロトコル・デコードを備え、厚さ約1.5インチのコンパクトなフォーム・ファクタにすべて搭載されています。2シリーズMSOは、あらゆる場所で使用できる電子的なデバッグとテストに最適なオシロスコープです。

静電容量方式タッチスクリーンとタッチ用に設計された直感的なユーザ・インタフェースを備えた2シリーズMSOは、受賞歴のある次世代オシロスコープのTektronixシリーズに搭載されています。共有ユーザ・インタフェースとプログラム・インタフェースにより、Tektronixの次世代オシロスコープを簡単に使用できます

オプションのバッテリ・パックは、機器の機能を拡張することで、ラボで使用する機器を作業現場でも使用できるようになります。

対応プローブと豊富なアクセサリが用意された2シリーズMSOは、このクラスで最高の性能と汎用性を誇り、さまざまなアプリケーションに適しています。

シンプルな前面パネルを備えた直感的なタッチスクリーン

2シリーズMSOは、ハイエンドのTektronixオシロスコープと同じ受賞歴を誇るユーザ・インタフェースを提供し、タッチ操作可能の消費者向けデバイスに期待されるタッチ操作対応をサポートします。

波形を左右上下にドラッグすることで、水平／垂直位置の調整やパン／ズーム表示が可能
ピンチ操作により、水平または垂直方向のスケールの変更やズーム・イン／アウトが可能
右側からスワイプ（結果バーを表示）または上側からスワイプ（ディスプレイの左上にメニューを表示）

シンプルな前面パネルには、色分けされたLEDリング・ライトを備えた重要なボタンやノブがあり、頻繁に使用する機器設定にすばやくアクセスして簡単に調整できます。

MEMBRANE SWITCH技術により、堅牢性が向上し過酷な環境での使用に対応でき、清掃が簡単です。

洗練された前面パネルと直感的なタッチ・インタフェースを組み合わせることで、初めての技術者でもすぐに機器を使い始めることができます。

USBマウスやキーボードもサポートされているため、使い慣れている機器を操作できます。

優れた操作性をもつインタフェースと豊富な解析機能により迅速に詳細を把握

2シリーズMSOのユーザ・インタフェースは、タッチ操作用にゼロから設計されています。すべての重要な情報は、関連性を示す視覚的なキューを備えた一連のバッジとして表示されます。1回のタップで機器構成や波形管理タスクにすぐにアクセスできます。

2シリーズMSOは、クラス屈指の最新技術を用いたスタック表示モードを備えています。従来、すべての波形が1つの目盛りに重なっていたため、不要なトレードオフが生じていました。

各波形の垂直軸スケールと位置は、重ならないように調整する必要があります。重なりが生じると、ADC範囲のごく一部しか使用されないため、測定が不正確になります。
波形の垂直軸スケールと位置を調整すると重なりが発生し、個々の波形の詳細を区別することが困難になります。
スタック表示モードでは、各波形は、最大の可視性と精度を可能にするため、ADC範囲全体を表す独自のスライス（追加のグリッド）を取得します。チャンネルのグループをオーバーレイすることもできるため、信号の表示を見ながら比較できます。
2シリーズMSOは、豊富な解析ツールを標準で備えています。
- ユーザが選択可能なリードアウトの位置を示す波形／スクリーン・ベースのカーソル。
- 測定結果の統計値とゲーティングを備えた37種類の自動測定、無制限の数の測定を追加する機能、あるイベントから次のイベントへのナビゲート機能、および最小値または最大値を即座に表示する機能。
- 任意波形の数式編集を含む、基本および高度な波形演算。
- 基本FFT解析：振幅または位相を表示するオプション、ウィンドウ・タイプ、ゲーティング、単位をカスタマイズする複数のオプション。
2シリーズMSOの大型ディスプレイは、広い表示領域を確保できるため、信号だけでなく、プロット、測定結果テーブル、バス・デコード・テーブルなど、豊富な情報を表示できます。必要に応じて、サイズや位置も簡単に変更できます。

トリガ

デバイスの障害を検出するのは、デバッグの第1段階です。次に、原因を特定するために、想定されるイベントを取込まなければなりません。2シリーズMSOは、ラント、ロジック、パルス幅、トリガ、タイムアウト、立上り／立下り時間、セットアップ／ホールド、シリアル・パケット、および複雑な間欠的なイベントのキャプチャに使用できるパラレル・データを含む拡張トリガの設定を提供します。

イベント時のアクション

機器に組み込まれたイベント時のアクション機能に基づいて動作することで、トリガ・イベント、測定リミット・エラー、検索イベント、マスク・テスト・イベントなどの特定の条件が発生したときに、特定のアクションを実行してオシロスコープが応答するように設定できます。これにより、発生頻度の低いイベントを簡単に取得して分析できます。

ナビゲーションとサーチ

最大10　Mポイントのレコード長により、数多くのイベントが取り込めます。数千というシリアル・パケットでも1回で取込むことができ、分解能の高いままズーム表示して詳細に信号を観測できます。

長いレコード長の波形から目的のイベントを探す場合、適切なサーチ・ツールがないと時間のかかる作業になります。

サーチ機能を使用すると、独自に定義した条件で取込んだデータを自動検索できます。イベントのすべての発生箇所は、ナビゲーションが簡単になるように、検索マークが強調表示されます。サーチの種類には、エッジ、パルス幅、タイムアウト、ラント、ウィンドウ、ロジック、セットアップ／ホールド、立上り／立下り時間、パラレル／シリアル・バス・パケットのデータなどがあります。また、検索結果の最小値と最大値にすばやくジャンプすることもできます。

コールアウト

テストの結果や手順を文書化することは、チーム間でデータを共有したり、後の再測定、顧客レポートを作成したりする際に非常に重要です。

画面上で数回タップするだけで、必要な数だけカスタム・コールアウトを作成できるため、波形の特定の詳細を文書化することができます。それぞれのコールアウトは、テキスト、位置、色、フォント・サイズ、フォントをカスタマイズできます。

マスク・テスト

マスク・テストは、信号の品質をテストする優れた方法です。マスクとは、オシロスコープの波形表示において信号が入ってはならない部分を設定するものです。マスクは、ユーザ定義の許容誤差を持つ高品質な信号に基づいて定義するか、画面上にマスク・セグメントを描画して定義します。

2シリーズMSOは、以下のことが可能になる包括的なマスク・ツールの設定が提供されます。

波形の数でテスト期間を定義
違反判定のためのスレッショルド値を設定
違反/不合格の数をカウントし、統計情報レポートを作成
違反時、テスト不合格時、およびテスト完了時のアクションを設定

シリアル・プロトコル・トリガ／解析（オプション）

2シリーズMSOでは、さまざまな高性能なツール・セットが用意されており、I2C、SPI、RS-232/422/485/UART、CAN、CAN FD、LIN、SENTなど、組込み設計によく使用される、ほとんどのシリアル・バスに対応できます。

プロトコル・デコードとトリガ機能では、1つまたは複数のシリアル・バスのトラフィックを観察することによって、システムのアクティビティの流れを追跡できるため大変有効です。

シリアル・プロトコル・トリガを使用することで、パケットの開始、特定のアドレス、特定のデータ内容、固有の識別子、エラーなど、特定のパケット内容でトリガできる
バス波形は、Clock、Data、Chip Enableなど、バスの個々の信号をより高いレベルで組み合わせたビューを提供します。これにより、パケットの始点と終点を簡単に識別し、アドレス、データ、識別子、CRCなどのサブパケット・コンポーネントを識別できます。
バス波形は、表示された他の信号と時間相関が取れているため、被測定システムの異なる部分のタイミング関係も簡単に測定できます。
バス・デコード・テーブルは、アクイジションでデコードされたすべてのパケットの表形式のビューを提供します。パケットにはタイムスタンプが付き、アドレス、データなど、コンポーネントごとにカラムとして連続にリスト表示されます。

デジタル・チャンネル（オプション）

2シリーズMSOには、デジタル・チャンネルが16個装備されています。P6316デジタル・プローブを使用して、最大16個の信号をオシロスコープのデジタル入力に接続できます。プローブに付属のアクセサリを使用すると、8x2スクエア・ピン・ヘッダに直接接続できます。付属のフライング・リード・セットとグラバを使用すると、表面実装デバイスやテスト・ポイントとクリップでき、柔軟性が向上します。

各デジタル・チャンネルを個別に表示して、その状態を確認できます。また、複数のデジタル・チャンネルをグループ化して、バス形式で表示することもできます。シンボル・テーブルをバス表示に適用して、バス・トランザクションのより高いレベルのビューを取得することもできます。パターン・トリガ機能を使用して、対象のパターンをトリガできます。