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車載用Ethernetのテスト
信頼性、相互運用性の確保
詳細をご覧ください。
ADAS、スマート・セーフティ・システム、ヒューマン・マシン・サブシステムは、膨大なデータを生成して車両全体に伝わります。さらに、車両サブシステム間の統合強化により、単純なリング・ネットワークから、バックボーンに接続されたゲートウェイを含む、より複雑なトポロジに移行するという、基本的なアーキテクチャ上の変更が進んでいます。
車載用Ethernetは、実績のあるITテクノロジから派生しており、容量と統合の両方のニーズに対応しています。車載用途以外のEthernetとは異なり、車載用のバスは、より軽量で低コストの、シールドされていないシングル・ツイストペア・ケーブルを使用しています。PAM3/PAM4変調により、高速のデータ・レートと信頼性を実現しています。
車載用ネットワークは、特定のアプリケーションや要件に応じて、さまざまな規格、速度で構成されています。車載用ネットワーク通信の90%は10Mbps以下で動作します。低速のCAN/CAN-FD、LIN、FlexRay、SENT、PSI5、CXPIといった規格が対応しているのは10Mbpsまでです。自動運転、コネクテッド・カーなどの新しいアプリケーションでは、より高速な車載用ネットワークが必要となるため、IEEEはIPベースの車載用Ethernet規格である100BASE-T1(P802.3bw)とマルチギガビットEthernet(IEEE 802.3ch)、1000BASE-T1(802.3bp)、および10BASE-T1S(IEEE 802.3cg)を導入しました。
IPベースの車載用ネットワーク規格の速度や適用範囲を拡張するために、IEEEは近年、PAM4エンコーディング方式で2.5Gbps、5Gbps、10Gbpsで動作可能なマルチギガビットEternet(IEEE 802.3ch)規格を導入しました。
ハードウェアの相互運用性を確保し、さまざまな動作条件で信頼できる車両動作を保証するため、信号レベル、ノイズ、クロック特性に厳しい制約が課せられています。この規格で指定されているテスト技術は、Ethernetネットワークでは十分に確立されていますが、CANやLINなどの低速シリアル・バスでの作業に慣れている多くの自動車エンジニアにとって、新たな設計課題となっています。
設計検証
プロトタイプのネットワーク・デバイス構築後、設計が仕様の範囲内にあることを評価します。
当社オシロスコープは、車載用Ethernet設計の提示と評価を行うためのツールです。
- 高度な測定ツール、解析ツールを使用して、さまざまなユース・ケースで評価。
- 統計的な解析やヒストグラムと共に、振幅や時間の測定などの自動測定は、信号品質チェックの第一歩です。
- アイ・ダイアグラムは、PAM3信号にノイズ、シグナル・インテグリティの問題がないかを評価する最も迅速な方法です。
- ジッタ解析ツールは、タイム・インターバル・エラー(TIE)、サイクル間、Rj / Djの測定を含む、マスタ/スレーブ・クロック・ジッタのプロファイルを解析します。

アイ・ダイアグラムは、複雑なPAM3波形を表示するのに最も適した方法です
迅速なデバッグとトラブルシューティング
複雑なネットワークでは、システムやコンポーネントに問題が発生することが予想されるため、迅速にデバッグして根本原因を突き止める必要があります。車載用Ethernetの高速データ・レートとエンベデッド・クロックは、ノイズや電力の変動による影響を受けます。
トラブルシュートの一環として波形評価に慣れているエンジニアであっても、PAM3信号をデバッグするのは難しい場合があります。また、車載用Ethernetは双方向バスであるため、対象となる信号を正確に捕捉するのがさらに難しくなる場合もあります。
拡張解析ソフトウェアで構成された当社オシロスコープは、トラブルシューティングを迅速かつ効果的に行うためのツールになります。
- クロック・リカバリの問題をトラブルシューティングするTIEとヒストグラム
- PAM3信号を迅速に評価するためのアイ・ダイアグラム
- ジッタがランダムであるかデターミニスティックであるかを判断することによってノイズ・ソースを特定する拡張ジッタ解析
- 拡張トリガ機能
- 干渉源を特定するためのFFT解析

複雑なシステムをトラブルシューティングするには、マルチチャンネル測定と、FFT解析やジッタ解析などの優れた信号インテグリティ・ツールが必要です。


このパワー・スペクトル密度テストを含む自動テストでは、結果をテスト限界と比較して規格に対するコンプライアンスを確認します。
コンプライアンス対策
ネットワーク環境へのサブシステム統合のため、エンジニアはすべてのデバイスに相互運用性があり、個々のECUが他のECUと通信していることを示す、検証可能な客観的証拠を示す必要があります。これは、EMI/EMC、ESDのテストにも及びます。
しかし、より複雑で高速なビット・レート(Mbps、Gbps)のシリアル・テクノロジの場合、テストはより難しい場合があります。
テクトロニクスは長年にわたりハイスピード・コンプライアンス・テストに携わってきており、この専門技術を自動車の新技術に対しても適用しています。コンプライアンス・ソリューションは、100BASE-T1(802.3bpTM)およびBroadR-Reachまたは100BASE-T1 (802.3bwTM)のサポートも含みます。最新版のコンプライアンス・ソリューションは、マルチギガビットEthernet(IEEE 802.3ch)と10BASE-T1S(802.3cg)にも対応しています。すべてOPEN Allianceによって定義されたテスト要件に準拠しています。当社オシロスコープ、スペクトラム・アナライザは、ESDおよびEMCのテストにも対応しています。
信号分離による車載用Ethernetテスト
車載用Ethernetの信号特性評価、プロトコル・テストでは、設計から検証、メンテナンスに至るまで、さまざまな問題点に直面します。ケーブルを切断せずに、ECU#1とECU#2間の実際のデータを観測し、全二重モードでのシグナル・インテグリティを評価し、さらにシステム・レベルでプロトコル・データを検証しようとすると、テストの複雑さ、作業時間、コストが増加します。当社独自の特許出願中の信号分離ソリューションは、市場で現在提供されている製品の欠点を克服するだけでなく、さまざまな優れた特長を備えています。
- ケーブルの切断やEthernetケーブルなどのハードウェア変更を行うことなく、全二重モードでECU#1とECU#2のトラフィックを分離。
- ECU#1とECU#2のプロトコル・デコード・データを同時に表示。
- 全二重モードでのプロトコル・デコードの実行。
- 車載用Ethernet PAM3/信号分離。
- 車載用Ethernet:真の信号観測。

車載用Ethernetテスト・ソリューション
車載用Ethernetのトランスミッタ・テストには、オシロスコープ、適切なプローブ、信号源、ソフトウェア、テスト・フィクスチャが必要です。テクトロニクスは、お客様のご要求に応えるよう、信号品質とコンプライアンスのための豊富なテスト・ソリューションをご用意しています。
車載用Ethernetのテスト | オシロスコープ | ソフトウェア | プローブ | 信号源 | フィクスチャ |
---|---|---|---|---|---|
信号品質テスト (信号分離、プロトコル・デコード、信号品質/デバッグ) |
5シリーズMSO(Windowsのみ) 6シリーズ B MSO(Windowsのみ) |
Opt. 5/6 -AUTOEN-SS:信号分離 Opt. 5/6 -PAM3(車載用Ethernet信号解析) Opt. 5/6 -SRAUTOEN1(100BASE-T1プロトコル・デコード) Opt. 5/6 -DJA(ジッタ解析) |
TDP1500/TDP3500型 TCP0030A/P6022型 |
ECUにより異なります。 当社までお問い合わせください。 |
|
Open Alliance/IEEE PMA Txコンプライアンス・テスト | 5シリーズMSO(Windowsのみ) 6シリーズ B MSO(Windowsのみ) |
Opt. 5/6-CMAUTOEN10(10BASE-T1S準拠) | TDP1500型 | AFG31000シリーズ(リターン・ロス) | TF-XGBT |
Opt. 5/6-CMAUTOEN(100BASE-T1/1000BASE-T1準拠) | TDP1500型、TDP3500型 | AFG31000シリーズまたはAWG5200シリーズ(歪みおよびリターン・ロス) | TF-XGBT、TF-BRR-CFD | ||
DPO70000C/DXシリーズ DPO70000SXシリーズ |
Opt. BRR(100BASE-T1/1000BASE-T1準拠) | TDP1500型、TDP3500型 | AFG31000シリーズまたはAWG5200シリーズ(歪みおよびリターン・ロス) | TF-XGBT、TF-BRR-CFD | |
DPO70000DXシリーズ DPO70000SXシリーズ |
Opt. AUTOEN10G(マルチギガビットEthernet準拠) | P7700シリーズ(オプション) | - | PCB S3401 SB 396373*1 |
自動テスト・ソフトウェアは、新規に購入するオシロスコープにインストールしたり、ご使用中のオシロスコープに追加したり、または同じシリーズの複数のオシロスコープで共有することもできます。当社までお問い合わせください。
5シリーズMSOミックスド・シグナル・オシロスコープ
- 車載用Ethernetコンプライアンス・テスト・パッケージにより、業界規格のテストを自動化
- 統合されたアイ・ダイアグラムとオプションのジッタ解析により、信号の整合性を検証
- 350MHz~2GHz
- 最大8つの入力チャンネル
- 15.6型のピンチ/スワイプ/ズーム対応、高精細タッチスクリーンにより、より広い解析エリアを確保
6シリーズ B MSOミックスド・シグナル・オシロスコープ
- 車載用Ethernetコンプライアンス・テスト・パッケージにより、業界規格のテストを自動化
- 統合されたアイ・ダイアグラムとオプションのジッタ解析により、信号の整合性を検証
- 高感度設定における優れたノイズ性能
- 15.6型のピンチ/スワイプ/ズーム対応の高精細タッチスクリーン
DPO70000SXシリーズATIパフォーマンス・オシロスコープ
- DPO70000SXシリーズATIパフォーマンス・オシロスコープは、高速信号の挙動を優れた確度で取り込めるため、次世代設計の検証、動作確認、特性評価に最適です。
- 広範な規格サポート:MIPI、DisplayPort、HDMI、PCIe Gen3/Gen4/Gen5、SATA/SAS、USB3.1、Type-C、10/100BaseT~10G/100G Ethernetなど