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オシロスコープとは

以前はオシログラフ として知られていたオシロスコープ(オシロやスコープとも呼ばれる)は、電気信号の経時的な変化をグラフィカルに表示する計測器です。音や光、熱などの物理的刺激に反応して電気信号を生成するセンサと接続し、電気信号を測定します。例えば、マイクは音を電気信号に変換するセンサです。

こちらでは、オシロスコープの仕組みから最適なオシロスコープの探し方まで、オシロスコープに関するすべての必要な情報について説明します。 

オシロスコープは何に使う?

オシロスコープは、電子機器の設計、製造、修理によく使用されています。エンジニアは、オシロスコープを使って電気現象を測定し、測定課題を迅速かつ正確に解決して、設計の検証や、センサの動作確認を行います。

オシロスコープは誰が使う?

科学者、エンジニア、物理学者、修理技術者、教育者などが、信号の経時的な変化を検証するためにオシロスコープを使用します。自動車エンジニアは、センサのアナログデータとエンジン制御ユニットのシリアルデータの相互比較のために、オシロスコープを使用することがあります。また、医学研究者は、脳波測定にオシロスコープを使用することがあります。多くの方がオシロスコープを使用して、信号の時間的変化を測定しています。

オシロスコープの仕組みは?

主要なオシロスコープ・システムには、垂直、水平、トリガの3つがあります。これらのシステムが組み合わせられて電気信号の情報を提供し、オシロスコープが電気信号を正確に再構築します。下図は、オシロスコープのブロック図です。

オシロスコープのブロック図

最初に、信号電圧が減衰または増幅され、信号の振幅を最適化します。これは、垂直軸スケールの制御に依存するため、垂直システムと呼ばれています。次に、信号がアクイジション・ブロックに到達すると、A/Dコンバータ(ADC)が信号電圧をサンプリングして、デジタル・フォーマットの値に変換します。サンプル・クロックを含む水平システムは、各電圧サンプルに正確な時間(水平)座標を提供します。サンプル・クロックがADCを動かし、そのデジタル出力は、レコード・ポイントとしてアクイジション・メモリに保存されます。トリガ・システムは、入力信号ストリーム内にあるユーザ指定の状態を検出し、それを波形レコードのタイム・リファレンスとして適用します。トリガ基準を満たしたイベントと、そのイベント前後の波形データが表示されます。

オシロスコープの用途は?

簡単に言うと、オシロスコープとは電圧の波を測定する機械です。オシロスコープの画面では、電圧はY軸に垂直方向に表示され、時間はX軸に水平方向に表示されます。画面上の信号の強度や輝度は、Z軸と呼ばれることもあります。測定結果のグラフから、次のような信号に関する多くの情報を得ることができます。

 オシロスコープで測定できるもの
  • 信号の時間と電圧値
  • 発振している信号の周波数
  • 信号によって表される回路の「可動部」
  • 信号の特定部分が他の部分に関連して発生する周波数
  • 故障部品による信号の歪みの影響の有無
  • 信号における、直流電流(DC)と交流電流(AC)の割合
  • 信号のノイズ成分
  • ノイズの経時的な変化の有無

オシロスコープ、デジタル・マルチメータ、電圧計

オシロスコープ、デジタル・マルチメータ、電圧計の違いとは、また、互換性はあるのでしょうか。電圧計は、電気回路の2点間の電位差を測定します。デジタル・マルチメータは、電圧を測定しますが、電流と抵抗も測定できます。オシロスコープは、経時的な電圧変化を測定します。通常、アプリケーションが高度になるにつれて、機器も高度になります。

オシロスコープの種類

オシロスコープには、アナログとデジタルの2つのタイプがあります。アナログ・オシロスコープ は、電圧波形を元の形のまま取り込んで表示し、デジタル・オシロスコープは、A/Dコンバータを使用して情報をデジタルで取り込み、保存します。現在、多くのエンジニアが、デバッグと設計にデジタル・オシロスコープを使用しています。デジタル・オシロスコープは、一般的に5つのカテゴリに分類されます。安価な汎用型オシロスコープから、基本モデルよりも高い機能と確度を備えた、高価格で複雑なオシロスコープまで多岐にわたります。

 

  • デジタル・ストレージ・オシロスコープ(DSO): 従来のデジタル・オシロスコープです。低繰り返しレート、シングル・ショット、高速、マルチチャンネル設計のアプリケーションに最適です。
  • デジタル・フォスファ・オシロスコープ(DPO)DPOはオシロスコープの構造に新たな手法を採用しています。DSOとは異なり、リアルタイムでZ軸(輝度)を表示します。DPOは、幅広いアプリケーションに最適な汎用設計のトラブルシューティング・ツールで、高度な解析、通信マスク・テスト、間欠的な信号のデジタル・デバッグ、繰り返しデジタル設計、タイミング・アプリケーションなどに多く使用されています。
  • ミックスド・シグナル・オシロスコープ(MSO):  DSOの一種で、アナログとデジタルの両方の信号を表示し、比較することができます。強力なデジタル・トリガ、高分解能アクイジション機能、解析ツールにより、デジタル回路を迅速にデバッグする機器として最適です。
  • ミックスド・ドメイン・オシロスコープ(MDO): ミックスド・シグナル・オシロスコープの機能に加えて、スペクトラム・アナライザを内蔵し、アナログおよびデジタル機能にRFデバッグ機能が追加されています。
  • デジタル・サンプリング・オシロスコープ: サンプリング・オシロスコープは、超低ジッタの取込みによるジッタやノイズの解析に対応し、超高速の信号解析を行います。繰り返し信号において、他のオシロスコープの10倍の帯域幅と高速タイミングを実現しています。

 オシロスコープの種類 と各機能の詳細をご覧になり、アプリケーションに適したオシロスコープをお探しください。

最適なオシロスコープの選び方

最適なオシロスコープを選ぶ際は、帯域幅、波形取込みレート、サンプル・レート、立上り時間、 トリガ機能、価格など、さまざまな要素を検討する必要があります。カメラのシャッター・スピードや照明条件、絞りなどが、鮮明で正確な画像の撮影に影響するのと同じように、オシロスコープの性能に関する検討事項は、必要なシグナル・インテグリティの実現に大きく影響します。これらの基準とアプリケーションとの関連性についての詳細は、 オシロスコープの評価方法をご覧ください。 

オシロスコープの歴史

1897年、ドイツの物理学者カール・フェルディナント・ブラウンがブラウン管と最初のオシロスコープを発明し、その数十年後、A. C. Cossor社によって展開されました。1934年、ゼネラル・ラジオ社から最初の商用オシロスコープが発売され、実験室以外で初めて使用されました。そして1946年、ハワード・ヴォラムとメルビン・ジャック・マードックがテクトロニクスを設立。テクトロニクスはオシロスコープの世界的なリーダー企業となりました。以降、テクトロニクスは、1971年に最初のデジタル・オシロスコープ、2020年に初のオシロスコープ・クラウド・ソフトウェア・ソリューションとなる—TekDrive—を発表するなど、革新的で新しい技術を世に出し続けています。オシロスコープはエンジニア・ベンチの定番であり、歴史的に有名な映画にもたびたび登場しています。TekミュージアムのWebサイトにアクセスすると、 映画に登場したオシロスコープの完全な一覧をご覧いただけます。

オシロスコープに関する資料

デジタルオシロスコープは、エンジニアが今日の厳しい測定の課題を解決するための鍵です。テクトロニクスはオシロスコープの分野で世界をリードしており、最も高度なアプリケーションのニーズにも応える様々なオシロスコープを提供しています。最新のオシロスコープはこちらからご覧いただけます。ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせください。オシロスコープのデモのリクエストも可能です。

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