Current Language
×
Japanese (Japan)

言語の選択:

トグル・メニュー
Current Language
×
Japanese (Japan)

言語の選択:

ダウンロード

マニュアル、データシート、ソフトウェアなどのダウンロード:

ダウンロード・タイプ
型名またはキーワード

フィードバック

ダイオードの測定と特性評価


ダイオードのI-V特性評価

ダイオードは2つの端子を持った電子デバイスであり、一般に、一方向(順バイアス)には電流を流し、逆方向(逆バイアス)には電流を流しません。しかし、ダイオードには、ツェナー、LED(LightEmittingDiode)、OLED(OrganicLightEmittingDiode)、ショットキー、アバランシェ、フォトダイオードなど、さまざまな機能を持った数多くの種類があります。これら数多くのダイオードは、それぞれの電流-電圧(I-V)特性が異なります。ダイオードのI-Vテストは、パッケージのデバイスまたはウェーハ上のデバイスとして、実験室や製造環境下で行われます。

一般に、ダイオードのI-V特性評価には、感度の高い電流計、電圧計、電圧ソース、電流ソースが必要です。これらすべての計測器をプログラムし、同期し、接続するのは手間と時間のかかる作業であり、ある程度の大きさのラックや作業スペースも必要になります。テストを簡素化し、ラック・スペースを節約してダイオードの特性を評価するには、1台で電流と電流の印加と測定が行える、ケースレーの2450型ソースメータが適しています。2450型は、ダイオード・テストで必要な、広範囲の電圧と電流(10−11A~1A)をスイープして印加、測定できます。これらの測定は、バスを経由して、または大型のタッチスクリーンでセットアップし、実行でき、結果はスクリーン上でグラフ表示できます。図1は、2450型を使用し、4線接続で入力に接続した赤色LEDに電圧を印加し、電流を測定した例です。

このアプリケーション・ノートは、2450型ソースメータを使用し、ダイオードのI-V特性評価を行う方法について説明します。また、前面パネルのユーザ・インタフェースで測定値をグラフ化し、保存する方法、さらにバスを経由した自動測定方法についても説明します。

ダイオードのI-Vテス

一般に、ダイオードのパラメータ・テストでは、広範囲の電流、電圧を印加し、測定する必要があります。例えば、順方向電圧を0~1V印加した場合、測定される電流レンジは10−12~1Aになります。しかし、実際の振幅、I-Vテストの種類、抽出されるパラメータは、テストするダイオードによって異なります。LEDのテストでは印加する電流に対応した光度の測定が、ツェナー・ダイオードでは特定のテスト電流におけるクランプ電圧またはツェナー電圧の測定が必要になります。しかし、さまざまな種類のダイオードでも、共通のテスト項目が数多くあります。

図2は、代表的なダイオードのI-V曲線の例であり、順方向領域、逆方向領域、ブレークダウン領域、さらに共通のテスト・ポイントである順方向電圧(VF)、リーク電流(IR)、ブレークダウン電圧(VR)があります。順方向電圧テスト(VF)では、ダイオードの通常の動作範囲における特定の順方向バイアス電流を印加し、電圧降下を測定します。リーク電流テスト(IR)では、逆電圧条件におけるダイオードの低リーク電流を求めます。このテストでは、特定の逆方向電圧を印加し、リーク電流を測定します。逆方向ブレークダウン電圧テスト(VR)では、特定の逆電流バイアスを印加し、ダイオードの電圧降下を測定します。

DMM6500_Front_CurrentMsr_Touch

ダイオードとソースメータの接続

ダイオードは、図3のように2450型に接続します。4線接続することにより、リード線の抵抗による影響を抑えます。ダイオードを接続端子に接続する場合、ForceHI、SenseHIにはダイオードのアノードを、ForceLO、SenseLOにはカソードを接続します。測定確度への影響を抑えるため、ダイオードと接続端子の距離はできる限り短くとります。印加/測定する電流が大きい場合、電圧が低い場合は特に重要になります。

低電流(1μA未満)の測定では、前面パネルのバナナ・ジャックではなく、後部パネルにある4つのトライアキシャル・コネクタとトライアキシャル・ケーブルの使用をお勧めします。トライアキシャル・ケーブルはシールドされており、ノイズによる読取誤差の原因となる静電気干渉を抑えることができます。図4に、後部パネルのトライアキシャルによるダイオードとの接続を示します。

また、トライアキシャル・ケーブルを使用する場合、ダイオードは遮光性のある金属シールド・ボックスに入れます。シールドの他に、低電流測定テクニックも使用します。これらのテクニックの詳細については、「高感度測定ハンドブック」をダウンロードの上、ご参照ください。

ユーザ・インタフェースによるスイープとグラフ作成

ダイオード・テストとスイープは、2450型の前面パネルによるユーザ・インタフェースで簡単に実行できます。以下のような簡単な操作でI-V曲線を作成し、グラフにすることができます。

I-V曲線のためのテストの実行、表示手順

図5は、1N3595のダイオードを、0~0.9V、181ステップ(5mV刻み)でグラフ表示した例です。大型ディスプレイに12桁の単位の電流がプロットされています。TRIGGERキーを押すだけでI-Vスイープを繰り返すことができます。

USBメモリへのデータ保存

生成したスイープ・データは、CSVファイルにしてUSBメモリに保存できます。USBメモリを前面パネルのUSBポートに入れ、MENUキーを押し、次にDataBufferを選択します。データのバッファ番号(デフォルトはdefbuffer1)を選択し、SavetoUSBを選択します。ファイル名を変更する場合は、新しいファイル名を入力してEnterを押します。Yesを押すとファイルは保存されます。以上で、データはUSBメモリに保存されます。

ソースメータによる自動測定

2450型は、LAN、USB、またはGPINインタフェースでSCPIまたはTSP®(TestScriptProcessor)を使用することでリモート制御できます。2450型で1N3595ダイオードのI-Vスイープを自動化する例をご紹介します。このテストでは、0~0.9V、181ステップ(5mV刻み)で電圧スイープし、100msの時間遅延で電流を測定するように2450型をプログラムします。実際のテストにおけるTSPコードを、付録Aに記します。生成されたI-V測定をスプレッドシートにプロットした例を、図6に示します。

付録A:I-Vスイープ出力のためのTSPコードの例

このTSPコードの例は、ケースレーのTSB(TestScriptBuilder)ソフトウェアで作成されています。TSBは、2450型に付属されているソフトウェア・ツールです。他のプログラム環境を使用する場合は、TSPコードの例を変更する必要があります。このテストでは、4線式構成により、0~0.9V、181ステップで電圧スイープし、電流を測定するように2450型をプログラムします。時間遅延は100msに設定します。

付録B:I-Vスイープ出力のためのSCPIコードの例

ダイオードのI-Vスイープ出力のためのSCPIコマンドの例を示します。他のプログラム環境で実行する場合は、適切に変更する必要があります。このテストでは、0~0.9V、181ステップ(5mV刻み)で電圧スイープし、電流を測定します。電流と電圧の読み値は、defbuffer1のバッファに保存されます。

ダイオードの測定と特性評価に関する資料

ダイオードの測定と特性評価に関する、閲覧数の多い人気ページをご紹介します。ぜひご覧ください。


ダイオードの測定と特性評価に最適な製品

2400シリーズ・グラフィカル・ソースメータ

2400 Graphical Series SMU 

ケースレーの2400シリーズ・グラフィカル・ソースメータは、4象限動作の高精度な電圧および電流の印加/負荷としての機能に加え、測定機能も合わせ持ち、さらに直感的なタッチスクリーン方式のユーザ・インタフェースを備えています。1,000Wのパルスと100WのDCトータル・パワーに対応しており、10fA~10Aの電流パルスと100nV~1,100Vの電圧パルスを同時に印加/測定することができ、ユーザはTouch、Test、Invent®を行うことができます。


2600BシリーズSMU

2602B front 3.5 inches 

ケースレーの2600Bシリーズ・システム・ソースメータは、高度な自動製造テストアプリケーションに最適な、優れた電流/電圧印加および測定ソリューションです。デュアル・チャンネルとシングル・チャンネルのモデルが用意されており、どちらも高精度電源、真の電流源、DMM、パルス・ジェネレータ、電子負荷といったツールが緊密に統合されています。さらに、TSP®技術により、完全なテスト・プログラムの実行が可能なため、自動システム・アプリケーションに最適です。TSP-Link®技術を使用することで、最大64チャンネルを連結できるため、大規模なパラレル試験にも対応できます。


2601B-PULSE型10µパルサー/SMU

Home screen of Keithley DMM6500

2601B-PULSE型は、大電流/高速パルサーの機能と従来のSMUのすべての機能(測定と印加)を1台に統合したパルサー/ソースメータです。最小パルス幅10μsで10A、10Vの電流パルスが出力でき、1MS/sのデジタイズ機能を備えており、ベンチトップの特性評価から高度に自動化されたパルスI-Vによる製造試験まで、さまざまなアプリケーションの生産性を大幅に向上させます。