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漏れ電流(リーク電流)測定方法|高電圧半導体デバイス | テクトロニクス


ソース・メジャー・ユニット(SMU)と KickStartソフトウェアを使用した高電圧半導体デバイスのブレークダウンと漏れ電流測定

はじめに

長年の研究と開発により、シリコンカーバイド(SiC)と窒化ガリウム (GaN)系パワーデバイスは、より現実的な選択肢になりつつあります。SiCとGaNへのシフトは、新しいデザインを可能にしています。SiC はハイパワー・アプリケーション向けに高電圧で高電力を駆動する能力を備え、GaNは中低電力アプリケーション向けに超高電力密度を備えており、効率及び電力密度においてシリコンベースの設計で可能なことの限界を押し上げています。

例えば、SiCは、自動車、機関車、およびPVインバータにおけるモータ駆動などのハイパワー、高電圧の設計に関連するアプリケーションを見出しています。GaN 技術は、電力変換に適した多くの特長を有するため、RFパワーアンプの世界で大変役に立ちます。またGaNは、そのニッチな特長を生かして、データ・センターの電力、無線電力、家庭用電源、及び自動車と軍事/防衛のパワーエレクトロニクスなどの分野で活躍されています。

しかし、これらのデバイスは、高性能ですが、課題が伴います。コストと信頼性はさておき、これらのパワーデバイスは、今までのシリコン・デバイスと簡単に互換することができません。半導体研究開発エンジニアは新しい部品の検証と特性評価に取り組んでいます。ドライバのメーカーはより高速スイッチング、EMI管理、およびより洗練されたトポロジの要求に応えるために、新たなゲート・ドライバを開発しています。

これらの企業の製造エンジニアは、ウェーハ試験では、これまで以上に広い電圧、電流レンジで小型デバイスを徹底的にテストしなければならないという課題に取り組んでいます。ウェーハ及びパッケージ部品レベルでデバイスを手動で電気的性能の特性評価を行うには、新技術、設備を学習し、微小信号測定のためのインフラストラクチャをプロービングする必要があります(例えば、高いブレークダウン電圧がある場合のリーク電流の測定)。

SiCとGaNデバイスを使用する際の最大の課題の一つは、ゲート駆動の要件です。SiCは、はるかに高いゲート電圧(VGS)と、オフにするための負のバイアスを必要とします。一方、GaNの閾値電圧(Vth)ははるかに低いため、タイトなゲート駆動の設計を必要とします。 ワイド・バンド・ギャップ(WBG)デバイスは、その物理学の性質により、ボディ・ダイオードの電圧降下が 大きいため、デッドタイムとターンオン/ターンオフ遷移をより厳密に制御する必要があります。これらの課題を解決することは簡単ではありません。設計上では適切な決定をタイムリーに行えるように、これらの高電圧デバイスの特性を評価する際に、正確な印可と測定ができることはとても重要です。

設計マージンの増加や過剰設計は、コストを押し上げ、パフォーマンスを低下させるだけです。また、高 電圧を扱うため(通常200 Vを超える)、科学者やエンジニアを危険な電圧から安全に保つことは非常に重要です。 ケースレーは、ハイパワー半導体デバイスのテストでは、長い歴史と多くのノウハウを持っております。

ケースレーは2470型 1100Vグラフィカル・ソースメータ/ソース・メジャー・ユニット(図 1)を発売しました。SiC及びGaNデバイス・テストにおける困難な測定に対応します。このアプリケーションノートでは、2470型ソースメータ及びKickStartソフトウェアを使用した、高電圧半導体デバイス試験のためのアプリケーションをご紹介します。

図1. ケースレーの2470型 高電圧グラフィカルSMU

高電圧デバイス・テスト

高電圧半導体デバイスの基本的な特性評価には、通常ブレークダウン電圧とリーク電流の測定が含まれています。この2つのパラメータは、デバイスの設計者が、デバイスが正しく製造されたか、及びターゲッ トのアプリケーションで効果的に使用できるかを素早く判断するのに役立ちます。

ブレークダウン電圧測定

ブレークダウン電圧の測定は、デバイスがブレークダウンを示す特定のテスト電流に達するまで、逆方向の電圧を増加させながら印加することによって行われます。図2は、2470型SMUを使用した高電圧ダイオードのブレークダウン測定を示します。SMUがダイオードに接続されて逆電圧を印可する方法にご注意ください。

ブレークダウン電圧の判定では、通常、デバイスの堅牢性と信頼性を確保するために、デバイスの予想定格をはるかに超えて測定が行われます。2470型の1100Vまでの印可能力は、現在及び将来のデバイス設計では、多くのSiCとGaNデバイスをテストするのに十分な高いレベルです。

2470型高電圧SMUを用いた、典型的な高電圧ダイオードのブレークダウン電圧測定

図2. 2470型高電圧SMUを用いた、典型的な高電圧ダイオードのブレークダウン電圧測定

安全性に関する注意事項

高電圧でテストする場合、安全性が最大の関心事です。2470型SMU は、1.1 kVの電圧を生成できるため、オペレータが危険な電圧にさらされないように、下記注意事項を注意する必要があります:

  • 被試験デバイス(DUT)及び露出した接続の部分を図3のような適切に接地されたフィクスチャで囲みます。
  • 図4に示すように、2470型SMUの背面パネルにある安全インターロックを使用します。2470型は完全にインターロックされているため、インターロックが動作していない場合、高電圧出力が安全な電圧レベルまで下がります。SMUのインターロック回路は、システム内のユーザ・アクセス・ポイントが閉じられた時にのみ閉じるノーマリ・オープン・スイッチに接続し、オペレータがDUTへの高電圧接続部分に触ることができないことを確保します。
  • システム内の最大電圧定格のケーブルとコネクタを使用します。ケースレーのTRX-1100-* 高電圧トライアキシャル・ケーブルは、2470型用に今日の高電圧安全基準を満たすように設計されています。
  • 図5に示すように、通電中のコンポーネントで高電圧を扱う場合、常に適切な安全手袋を使用します。

適切に接地されたテスト・フィクスチャ

図3. 適切に接地されたテスト・フィクスチャ

2470型SMUの背面パネル上の安全インターロック接続の場所

図4. 2470型SMUの背面パネル上の安全インターロック接続の場所

 通電コンポーネントで高電圧を扱うときに適切な安全手袋を使用します。

図5. 通電コンポーネントで高電圧を扱うときに適切な安全手袋を使用します。

漏れ電流(リーク電流)測定

典型的な電力変換のアプリケーションにおいて、半導体デバイスは、スイッチとして使用されます。リーク電流の測定値は、半導体が理想的なスイッチにどれだけ近いか示します。また、デバイスの信頼性を測定する場合にも、リーク電流の測定は、デバイスの劣化を示し、 デバイスの寿命の予測を行うために使用されます。

半導体の研究者は、より高品質なスイッチを作るため、及び非常に小さなリーク電流を持つハイパワー・デバイスを生産するために材料を探しています。2470型などのSMUは10 fAという測定分解能を有する高精度低電流測定機能を提供しています。

1μA未満の電流を測定するとき、不要な測定誤差を防止するために、トライアキシャル・ケーブルと静電シールドを使用します。トライアキシャル・ケーブルは、電流測定機器からガード出力を届けることができるため、不可欠です。ガーディングは、測定端子からシステムリーク電流を分離してルーティングすることにより、システムのリーク電流の影響を排除します。静電シールドを使用して、測定端子から静電荷を逃がします。静電シールドは、回路及び任意の露出接続部を取り囲む金属筐体です。感電防止用のテスト・フィクスチャは、静電シールドとして機能することができます。低電流測定の最適化のその他のヒントについては、ケースレーの「高感度測定ハンドブック」を参照してください。

KickStartのソフトウェアを使用したSiCパワーダイオードの特性評価

ケースレーのKickStartソフトウェアを使用すれば、2470型でブレークダウン及びリーク電流のテストを素早く実行できます。KickStartは、計測器について知っておく必要のあることを簡素化するため、わずか数分で機器を箱から取り出し、デバイスから実際のデータが取得できます。

KickStartを使用すれば、すぐにデータをプロットし、読取テーブル内のデータ統計サマリーを素早く提供することで、分析材料を迅速に収集でき、デバイスの開発の次の段階に移行するための必要な決定を下すことができます。このソフトウェアは、便利なエクスポート機能を使用して、迅速なテストの複製と結果の比較を容易にするため、テスト時間を大幅に節約できます。

KickStartのソフトウェアおよびIV特性評価のアプリケーション

図6. KickStartのソフトウェアおよびIV特性評価のアプリケーション

この例では、高電圧の超高速整流SiCダイオードのリーク電流を測定します。ダイオードには、室温で逆電圧1000 Vを印加されると100μAの最大逆電流を規定されています。テストをセットアップするには、図7に示すように、ダイオードをテスト・フィクスチャに挿入します。また、テスト・フィクスチャには、磁気リレー・スイッチを使用した安全インターロックが組み込まれており、トップカバーがフィクスチャから外れている場合は、SMUの出力が安全な電圧レベルまで下がり、誰かが高電圧に接触することを防ぎます。

高電圧ダイオードをテストするための安全インターロック・リレー装置を含むテスト・フィクスチャ

図7. 高電圧ダイオードをテストするための安全インターロック・リレー装置を含むテスト・フィクスチャ

キーとなる重要な試験パラメータは次のとおりです。

  • リニアスイープ
  • スタート・ポイント:-20 V
  • ストップ・ポイント:-1000 V
  • ステップ:-5 V
  • 電流リミット:1μA
  • 電流測定レンジ:1μA
  • 電圧印加レンジ:1kV
  • 測定速度:1 NPLC
  • オートゼロ:オン

試験は、高電圧トライアキシャル接続の使用を必要とするので2470型の後部入力が使用されます。図8に示すように、試験パラメータが設定されています。

KickStartを使用したテスト・セットアップ

図8. KickStartを使用したテスト・セットアップ

KickStartでテストを開始し、グラフ画面上で閲覧することができます。試験の結果は図9に示されています。

2470型SMUとKickStartを使用した高電圧ダイオードのリーク電流測定結果

図9. 2470型SMUとKickStartを使用した高電圧ダイオードのリーク電流測定結果

結果は、ダイオードが仕様を満たしていることを示しています。逆電圧が増加すると、逆電流はより速いスピードで増加し、ダイオードがブレークダウンに近づいていることを示します。KickStartを使用すると、図10に示すように、グラフをズームすることができ、テスト電圧の増加につれて逆電流が急速に増加することを確認できます。

KickStartでグラフをズーム\

図10. KickStartでグラフをズーム

2470型は、リアルタイムでテスト結果をプロットし、スクリーンショットでプロットをキャプ

チャすることもできます。図11は2470型でグラフ化及びズームインしたテストの結果示しています。

2470型によるスクリーン・キャプチャ

図11. 2470型によるスクリーン・キャプチャ

結論

新しいSiC、Gaのような高電圧、ハイパワー半導体デバイスをテストするには、テストシステムの安全性、広い電圧範囲、および正確な電流測定を考慮する必要があります。ケースレーの2470型のようなソースメータ(SMU)と、KickStartソフトウェア、及び関連するアクセサリを組み合わせることで、これらのニーズをすべて満たし、さらに高電圧の材料や半導体デバイスの研究を促進します。

高電圧半導体デバイスの漏れ電流測定に最適な製品

2400シリーズ・グラフィカル・ソースメータ

2400シリーズ・グラフィカル・ソースメータ

ケースレーの2400シリーズ・グラフィカル・ソースメータは、4象限動作の高精度な電圧および電流の印加/負荷としての機能に加え、測定機能も合わせ持ち、さらに直感的なタッチスクリーン方式のユーザ・インタフェースを備えています。1,000Wのパルスと100WのDCトータル・パワーに対応しており、10fA~10Aの電流パルスと100nV~1,100Vの電圧パルスを同時に印加/測定することができ、ユーザはTouch、Test、Invent®を行うことができます。

ケースレーKickStartソフトウェア

ケースレーKickStartソフトウェア

KickStartソフトウェアを使用すると、テストや測定が高速化され、イノベーションが促進されます。KickStartは計測器に関する知識が少なくても、誰でも簡単にデバイスのデータをすぐに取り込むことができます。KickStartがデータを直ちにプロットし、読み値テーブルのデータの統計概要がすぐに表示されます。解析結果をすばやく集めて、デバイス開発の次の段階に進むために必要な決定をすぐに下すことができます。KickStartの使用により、テスト結果の解釈に集中できるので、チームは革新的な目標を達成することができます。

ケースレー製品(半導体試験システム)

材料、半導体プロセス/デバイスの電気特性評価に対応している半導体パラメータ・アナライザや、ハイパワー半導体デバイスの特性評価に対応した完全なソリューションのパラメトリック・カーブ・トレーサなど、半導体試験に最適な製品をご覧ください。